I.D.HYBRID BRAINS 6

第32回定例会報告書

平成26年1月25日(土)

15:00〜16:30

高円寺北区民集会所 第4集会室

参加人数 12名

担当 脳番号666

テーマ「One life, One chance!」



 今回は、イトケン太ロウの小学校の同級生であるTak氏による講座であった。1年前くらいから打診していたが、ようやく実現することができた待望の企画である。当初、「プレゼンは用意しない。」とTak氏は言っていたが、やはり受講する人達のことを考え、詳しくそして分かりやすいプレゼンを用意してくれた。

 現在、アメリカ、カナダ、台湾等、様々な国を股に掛け活躍するTak氏は、マーケティング、商品開発、輸入、バイヤー、海外仕入れ交渉、商品管理等、その仕事内容は多岐に渡る。

 いろいろな過程を経て現在、彼の考え方の軸としては、以下のことが挙げられるそうだ。
●動物愛護、反体制 
●正しいと思ったことは突き通す 
●上記のことは他人に強要しない 
●結果、数年ベジタリアン 現在ストレートエッジな生活

 このような彼が形成させるまでには、いったいどのような経緯があったのか、興味深い話が始まった。


 彼自身を語るため用意された年表は、年齢の経過を、仕事と音楽と自転車、その他で分類されていた。特に思考の中心となる”PUNK ROCK”は、単なる音楽的な趣味の範疇を越え、考え方や生活の軸となるものを、彼に与えていた。”PUNKとは何か?”という基礎的な説明から、動画で具体的にその音楽性とビジュアルを示してくれた。PUNKは、どちらかというと思想に近いという話も驚いた。

 彼の説明から、高校時代に始めたドラムとトレーニングの一環として始めた自転車が、彼のライフスタイルの中心になっていった様子がよく分かった。

 一時期就職していたゼネコン時代の話も、とても興味深かった。職人との摩擦や、ケタ外れに大きい重機での埠頭埋め立てについて等、土建現場ならではの気苦労が多かったという。新卒にも関わらず、いきなりの現場監督。休みも無く忙しいだけの日々に疑問を感じ、海外に行くことを決意したそうだ。そうした環境に身を置いたことが、彼がその後の人生を考えるきっかけになったことは間違いない。

 そして、一念発起しカナダへ。現地に入り、自転車とスキーの仕事を探すため、バスで西から東へ2400Kmの大移動をしたという話は何ともダイナミックな話だ。夏は自転車、冬はスキーの仕事をしながら、マウンテンバイクやエクストリームスキーを楽しんだそうである。

 カナダでの生活を満喫したTak氏であったがビザが切れて、残念ながら帰国となった。帰国して半年間は無職の状態が続き、貯金を切り崩しながらの貧しい生活が続いたそうだ。しかも景気の悪化に伴い、就職も厳しい状態になったそうだ。

 そのような苦しい状況を乗り越え、就職先に選んだ会社は、趣味と経験を生かして自転車の商社。英語が話せることを武器に、世界各国への買い付けや、大きな展示会への出展と、彼の仕事面での展開が始まった。一般の人から見ると、かなり派手な業界であるが、給与面からすると、大卒の給与からすると半分くらいの賃金であったそうだ。

 しかし、ここから彼の人生は大きく動き始める。大きなブランドとの交渉が成立、カナダでの友人がMTBで有名になる、友人つながりで数々のブランドを輸入、自転車業界の常識を覆すプロモーション、自転車の専門誌や一般誌で特集が組まれる、海外への取材等で年に3ヶ月は国外へ、昔の音楽つながりで某有名アーチストとのブランド立ち上げ等…。てがけたブランドは10数個。

 その手腕を遺憾なく発揮したTak氏は、大きな成果を結果として残した。給料は入社時の250%アップ。社内の最終決定権を得るまでになり、会社の知名度もアップさせた。売上も倍以上に!

 しかし、ここで彼に試練が訪れる。PUNKな性格から間違ったことが認められず、やがて経営陣との確執を生み、結果、強制的に退社させられることとなった。その後、経営の立て直しを数社行い、フリーで働いた後、現在は会社員として活躍している。

 仕事面における波乱万丈の彼の経歴であるが、彼がこの経験から見出したことは、以下の二点である。
●会社は生き物であり、永遠にあるものではない。
●自分のスキルアップは不可欠。


 さらに、これまでの経験から人生観として、6つのことを提示してくれた。
●人間関係が重要
●固定観念はすてるべし
●全てを斜めから考察する
●常に視野は広く持つ
●新しいものも素直に受入れ、古きものも参考に
●明日どうなっても良いように、悔いのない毎日

 様々な経験をしてきたからこそ導き出せる、重みのある言葉である。生き方にぶれない軸があるからこそ、端的に集約できるのであろう。同級生としての関わりでは、ここまで深い話を聞くことができなかったことを思うと、本当に貴重な話をシェアしてもらったと感じる。

 最後に、「ポリシーのある生き方は感動を生む!」、これがTak氏の話を聞いたイトケン太ロウの率直な感想である。

   
  世界を舞台に活躍するTak氏     向上の志士、I.D.のブレーン    自己責任のエキストリームスキー   賃金割合と満足度を示したグラフ